瑜伽金剛頂經釋字母品一卷
開府儀同三司・特進試鴻臚卿・肅國公・
食邑三千戸・賜紫・贈司空・
諡大鑒正號大廣智・
大興善寺三藏沙門不空、詔を奉て譯す。
阿上字門、一切法本不生なるが故に。
阿引去字門、一切法寂靜なるが故に。
伊上字門、一切法根不可得なるが故に。
伊引去字門、一切法災禍不可得なるが故に。
塢字門、一切法譬喩不可得なるが故に。
汚引字門、一切法損減不可得なるが故に。
哩字門、一切法神通不可得なるが故に
哩引字門、一切法類例不可得なるが故に。
𠴊字門、一切法染不可得なるが故に。
𡃖字門、一切法沈沒不可得なるが故に。
曀字門、一切法求不可得なるが故に。
愛字門、一切法自在不可得なるが故に。
汚字門、一切法瀑流不可得なるが故に。
奧字門、一切法化生不可得なるが故に。
暗字門、一切法邊際不可得なるが故に。
惡字門、一切法遠離不可得なるが故に。
迦上字門、一切法離作業なるが故に
佉上字門、一切法等虚空不可得なるが故に。
誐上字門、一切法行不可得なるが故に。
伽去引字門、一切法一合不可得なるが故に。
仰鼻呼字門、一切法支分不可得なるが故に。
左字門、一切法離一切遷變なるが故に。
磋上字門、一切法影像不可得なるが故に。
惹字門、一切法生不可得なるが故に。
酇去字門、一切法戰敵不可得なるが故に。
穰上字門、一切法智不可得なるが故に。
吒上字門、一切法慢不可得なるが故に。
咤上字門、一切法長養不可得なるが故に。
拏上字門、一切法怨敵不可得なるが故に。
荼去字門、一切法執持不可得なるが故に。
拏尼爽反鼻呼字門、一切法諍不可得なるが故に。
多上字門、一切法如如不可得なるが故に。
他上字門、一切法住處不可得なるが故に。
娜字門、一切法施不可得なるが故に。
馱去字門、一切法界不可得なるが故に。
曩字門、一切法名不可得なるが故に。
跛字門、一切法第一義諦不可得なるが故に。
頗字門、一切法不堅如聚沫なるが故に。
麼字門、一切法縛不可得なるが故に。
婆去重字門、一切法有不可得なるが故に。
莽字門、一切法吾我不可得なるが故に。
野字門、一切法乘不可得なるが故に。
囉字門、一切法離諸塵染なるが故に。
邏字門、一切法相不可得なるが故に。
嚩字門、一切法語言道斷なるが故に。
捨字門、一切法本性寂なるが故に。
灑字門、一切法性鈍なるが故に。
娑上字門、一切法一切諦不可得なるが故に。
賀字門、一切法因不可得なるが故に。
乞灑二合字門、一切法盡不可得なるが故に。
瑜伽金剛頂經釋字母品一卷
『瑜伽金剛頂経釈字母品』一巻
開府儀同三司・特進試鴻臚卿・肅国公・
食邑三千戸・賜紫・贈司空・
諡大鑑正号大広智・
大興善寺三蔵沙門不空、詔を奉て訳す。
阿上字門、一切法は本不生である故に。
阿引去字門、一切法は寂静である故に。
伊上字門、一切法は根不可得である故に。
伊引去字門、一切法は災禍不可得である故に。
塢字門、一切法は譬喩不可得である故に。
汚引字門、一切法は損減不可得である故に。
哩字門、一切法は神通不可得である故に
哩引字門、一切法は類例不可得である故に。
𠴊字門、一切法は染不可得である故に。
𡃖字門、一切法は沈沒不可得である故に。
曀字門、一切法は求不可得である故に。
愛字門、一切法は自在不可得である故に。
汚字門、一切法は瀑流不可得である故に。
奧字門、一切法は化生不可得である故に。
暗字門、一切法は辺際不可得である故に。
惡字門、一切法は遠離不可得である故に。
迦上字門、一切法は作業から離れている故に
佉上字門、一切法は虚空と等しく、不可得である故に。
誐上字門、一切法は行不可得である故に。
伽去引字門、一切法は一合不可得である故に。
仰鼻呼字門、一切法は支分不可得である故に。
左字門、一切法は一切遷変から離れている故に。
磋上字門、一切法は影像不可得である故に。
惹字門、一切法は生不可得である故に。
酇去字門、一切法は戦敵不可得である故に。
穰上字門、一切法は智不可得である故に。
吒上字門、一切法は慢不可得である故に。
咤上字門、一切法は長養不可得である故に。
拏上字門、一切法は怨敵不可得である故に。
荼去字門、一切法は執持不可得である故に。
拏尼爽反鼻呼字門、一切法は諍不可得である故に。
多上字門、一切法は如如不可得である故に。
他上字門、一切法は住處不可得である故に。
娜字門、一切法は施不可得である故に。
馱去字門、一切法は界不可得である故に。
曩字門、一切法は名不可得である故に。
跛字門、一切法は第一義諦不可得である故に。
頗字門、一切法は不堅なること聚沫のようである故に。
麼字門、一切法は縛不可得である故に。
婆去重字門、一切法は有不可得である故に。
莽字門、一切法は吾我不可得である故に。
野字門、一切法は乘不可得である故に。
囉字門、一切法は諸々の塵染から離れている故に。
邏字門、一切法は相不可得である故に。
嚩字門、一切法は語言道断である故に。
捨字門、一切法は本性として寂である故に。
灑字門、一切法は性として鈍である故に。
娑上字門、一切法は一切諦不可得である故に。
賀字門、一切法は因不可得である故に。
乞灑二合字門、一切法は盡不可得である故に。
『瑜伽金剛頂経釈字母品』一巻